免疫力を向上する漢方薬

免疫力が向上する理由:氣虚を改善

漢方薬には、免疫を向上する作用のある漢方薬があります。
具体的には、
・補中益気湯
・十全大補湯
です。

具体的には、補中益気湯は、氣虚を改善する代表的な漢方薬で、十全大補湯は氣虚と血虚が合わさった氣血両虚を改善する代表的な漢方薬です。
氣とは、わかりやすくいうと生命エネルギーのことであり、生命エネルギーが低下した状態が氣虚であるため、補中益気湯や十全大補湯で氣虚を改善することにより生命エネルギーを充足させることができ、免疫力が向上します。

以上の理由により、補中益気湯と十全大補湯は、パンデミック状態となった新型コロナウイルスに対して有効であることが期待されます。

補中益気湯

補中益気湯:ほちゅうえっきとう
<生薬> 人参 白朮 甘草 生姜 大棗 当帰 黄耆 陳皮 升麻 柴胡 
<証>  虚証~中間証 裏証 寒証 気虚 水毒 血虚
補中益気湯は氣虚に対する第1選択の漢方薬です。
主に虚証ですが中間証まで使うことができるため、様々な症例に広く有用であり、院長が最も処方する漢方薬です。
補中益気湯は名前の通り、中(中焦のこと:消化管を意味する)を補い、結果として氣を益する、つまり氣虚を改善する漢方薬です。
疲労倦怠感や食欲不振、自汗(昼間、動かなくても汗がジワジワ出る症状)、内臓下垂に用います。
また、痛みに有効な漢方薬でもあります。

十全大補湯

十全大補湯:じゅうぜんたいほとう
<生薬> 当帰 川芎 芍薬 熟地黄 人参 白朮 茯苓 甘草 桂枝 黄耆
 <証>  かなりの虚証~中間証 裏証 寒証 気虚 血虚
十全大補湯は、氣虚を改善する四物湯と、血虚を改善する四君子湯に桂枝と黄耆を追加した漢方薬です。
そのため、十全大補湯は、氣虚と血虚が同居している氣血両虚に効く漢方薬です。
手術後や、病気は慢性化した場合には氣虚+血虚となるため、そのような場合、十全大補湯が有効です。


補中益気湯と十全大補湯のベストな使い方は、新型コロナウイルスの「予防」

上記のように、補中益気湯、十全大補湯は新型コロナウイルスにも有効である可能性がありますが、ここで1つ重要な注意点があります。
それは、補中益気湯、十全大補湯を、
・どのようなタイミングで使用することがベストか?
ということです。

結論から言いますと、ベストなタイミングは、
・新型コロナウイルスにかかる「前」
と考えられます。

補中益気湯、十全大補湯は上記のように、生命エネルギーである氣が低下した状態である氣虚を改善することで免疫力を向上させる代表的な漢方薬です。
ですから、新型コロナウイルスにかかってしまった「後」、免疫力を向上させるために使用することも大いに有効と考えられますが、もっとも効果的な使用法は、
・免疫力を向上させ、新型コロナウイルスを予防するため、かかる前から使用しておく
ことです。

ここは最も重要なことなので、再度お伝えします。
補中益気湯、十全大補湯のベストな使い方は、
・新型コロナウイルスにかからないように、あるいはかかっても軽症で済むように、免疫力が低下している方は、新型コロナウイルスにかかる「前」に補中益気湯や十全大補湯を日ごろから「予防的」に使用しておく
ことであると考えられます。
ちなみにこれは、新型コロナウイルスだけでなく、すべての感染症に当てはまることだと思います。

☆新型コロナウイルスにかかってしまった時
新型コロナウイルスかかってしまった場合には、補中益気湯や十全大補湯で免疫力を向上させることは大切なことではありますが、メインは麻黄湯や麻黄附子細辛湯を使用することであると、他の感染症の治療経験からは考えられます。
(ホームページの他の部分と同様に、本来であれば新型コロナウイルスを直接に治療している医師がこれらの内容を発信することが適切と考えられますが、日本そして世界の緊急事態であるため、あえて発信していることを、ご理解いただければ幸いです)

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