代表的な漢方薬:痛みに有効な漢方薬を紹介

代表的な痛み(慢性疼痛・痛い)に有効な漢方薬をご紹介します。

  • 名前
  • 漢方薬に含まれる生薬
  • 効果のある証

について記載した後、解説を行います。


補中益気湯

補中益気湯:ほちゅうえっきとう

<生薬> 人参 白朮 甘草 生姜 大棗 当帰 黄耆 陳皮 升麻 柴胡

 <証>  虚証~中間証 裏証 寒証 気虚 水毒 血虚

 

補中益気湯は氣虚に対する第1選択の漢方薬です。

主に虚証ですが中間証まで使うことができるため、様々な症例に広く有用であり、院長が最も処方する漢方薬です。

 

補中益気湯は名前の通り、中(中焦のこと:消化管を意味する)を補い、結果として氣を益する、つまり氣虚を改善する漢方薬です。

 

疲労倦怠感や食欲不振、自汗(昼間、動かなくても汗がジワジワ出る症状)、内臓下垂に用います。

また、痛みに有効な漢方薬でもあります。

治打撲一方

治打撲一方:ぢだぼくいっぽう

<生薬> 桂枝 甘草 川芎 丁香 川骨 樸樕 大黄

 <証>  虚証~軽い実証 表証 瘀血

 

治打撲一方は、文字どおり打撲や骨折などのケガを治すために作られた漢方薬です。

ケガや手術後の痛みにかなり有効です。

 

また、虚証から実証まで幅広く使うことができ、整形外科の疾患すべてに効果があるまさに万能薬です。

駆瘀血剤でもあるため、便秘や生理痛などの瘀血にも有効です。

 

ケガや手術後には西洋薬では非ステロイド性抗炎症薬が使われることが多く、副作用として、胃腸にダメージを与えてしまいますが、治打撲一方は逆に胃を保護する作用があり、良くできている漢方薬です。

二朮湯

二朮湯:にじゅつとう 

<生薬> 半夏 生姜 茯苓 陳皮 甘草 白朮 蒼朮 香附子 羗活 威霊仙 天南星 黄芩

<証>  虚証~実証 裏証 寒証 水毒

 

 二朮湯は白朮と蒼朮の2つの朮が入っていることを意味します。

二朮湯は肩関節や肩こりなど肩周辺の症状によく効く漢方薬であるため、肩の痛みに対する第1選択の漢方薬です。

 

天南星は水毒に有効なほか、痛みに対しても有効です。

薏苡仁湯

 <生薬> 麻黄 甘草 桂枝 当帰 芍薬 蒼朮 薏苡仁

 <証>  中間証 表証 寒証 水毒

 

薏苡仁湯は、リウマチ(漢方では風湿という)を治すために作られた漢方薬です。

薏苡仁湯は、瘀血や水毒にも有効であるが、特に水毒に作用する力がもっとも強いです。

八味地黄丸

八味地黄丸:はちみぢおうがん

<生薬> 熟地黄 山薬 山茱萸 茯苓 沢瀉 牡丹皮 桂枝 附子

 <証>  虚証~中間証 裏証 寒証 燥 腎陽虚

 

八味地黄丸は六味丸に桂枝・附子を追加した漢方薬です。

 

八味地黄丸は腎陽虚の第1選択の漢方薬です。

腎の陽気を補うことから腎気丸とも呼ばれます。

このほか、虚証、寒証にも有効です。

 

腎陽虚になると、血などの流れが悪くなるため、「不通則痛」になり、痛みが生い、特に腰と膝に痛みがでます。

さらに、陽虚により寒が生まれるため、寒証となり、「寒は痛を主る」ために痛みがさらに生じることになります。

 

なお、八味地黄丸は、製薬メーカーによって大きく効果が変わる漢方薬です。

エメラルド整形外科疼痛クリニックは、もっとも効果があると考えられる製薬メーカーの八味地黄丸を使用しています。

五苓散

五苓散:ごれいさん

<生薬> 沢瀉 茯苓 猪苓 白朮 桂枝

<証>  虚証~実証 裏証 熱証 水毒 

 

五苓散は文字どおり5つの生薬で構成されています。

水毒に対する代表的な漢方薬で使用頻度もきわめて高いです。

また、神経障害性疼痛にかなり有効です。

 

また、二日酔い(東洋医学では水毒)にも有効なので、飲みすぎることが多い人には常備することをおすすめします。

加味逍遥散

加味逍遥散:かみしょうようさん

<生薬> 柴胡 芍薬 甘草 白朮 茯苓 当帰 乾姜 薄荷 牡丹皮 山梔子

<証>  虚証~中間 裏証(正確には半表半裏) 熱証 気逆 水毒 

 

加味逍遥散はイライラするなど気逆に対する最も有名な漢方薬です。

冷のぼせ(上熱下寒=上半身はのぼせて暑いが下半身は冷える状態)にも有効です。

 

女性にも非常に効果があります。

特に、月経不順、更年期障害など女性ホルモンに影響されている状態に奏効することがあります。

 

瘀血を改善する駆瘀血剤の1つですが、虚証用であるあるため瘀血を改善する効果もあまり強くはありません。

四逆散

<生薬> 柴胡 芍薬 枳実 甘草

<証>  虚証~実証 裏証(正確には半表半裏) 熱証 気鬱

 

四逆散は柴胡剤の1つです。

四逆散は、作用が穏やかで副作用の少ない漢方薬です。

手足厥冷といって手足が少しだけ冷たい症状にも有効です。

桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯:けいしかじゅつぶとう

<生薬> 桂枝 芍薬 生姜 大棗 甘草 蒼朮 附子

<証>  虚証~中間証 表証 寒証 水毒

 

名前のように、桂枝湯に蒼朮と附子を加えた漢方薬です。

虚証用の漢方薬である桂枝湯をベースにしていることからも、桂枝加朮附湯は虚証用の漢方薬になります。

 

上肢に作用のある桂枝が入っているため、虚証の上肢の痛みに対し有効ですが、虚証用であるため効果自体はそれほど強くありません。

 

以上より、桂枝加朮附湯は、上半身の関節・筋肉の痛みで、寒いと増悪し、むくんでいる場合に効果があります。

麻黄湯

麻黄湯:まおうとう

<生薬> 麻黄 杏仁 甘草 桂枝

<証>  実証 表証 寒証 

 

麻黄湯は、一言でいうと、汗を出し、体温を上げることにより風邪などを治す漢方薬です。

強力な漢方薬なので実証にしか使うことができません。

 

汗を出す作用もかなり強いため、汗が出やすい人(虚証となります)には使わない方が無難です。

  

風邪のほか、インフルエンザにも著効するため、東洋医学ではインフルエンザに対する第1選択です。

なお、麻黄湯は長期間にわたり内服する漢方薬ではありません。

麻黄附子細辛湯

麻黄附子細辛湯:まおうぶしさいしんとう

<生薬> 麻黄 附子 細辛

<証>  虚証~中間証 表証 寒証 

 

麻黄附子細辛湯は、虚証で、あまり高くない熱がある状態に使用する漢方薬です。

麻黄に加え、寒さ・痛みに有効な附子が入っています。

また、細辛も寒さ、痛みに効果があります。

これらから頭痛やのどの痛みにも効果があります。

 

以上より、麻黄附子細辛湯は、虚証+表証+寒証+頭・のどの痛みに対する漢方薬です。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

<生薬> 桂枝 芍薬 生姜 大棗 甘草 当帰 細辛 呉茱萸 木通

 <証>  虚証~中間証 裏証 寒証 水毒 血虚

 

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、四肢末端の冷えや痛みに対しかなり有効な漢方薬です。

四逆とは四肢が冷えるという意味です。

虚証で寒証で手足が痛いときに頻用し、女性の四肢の冷えにもよく用います。

なお、もっとも不味い漢方薬の1つです。

十全大補湯

<生薬> 当帰 川芎 芍薬 熟地黄 人参 白朮 茯苓 甘草 桂枝 黄耆

 <証>  かなりの虚証~中間証 裏証 寒証 気虚 血虚

 

十全大補湯は、気虚を改善する四物湯と、血虚を改善する四君子湯に桂枝と黄耆を追加した漢方薬です。

そのため、十全大補湯は、気虚と血虚が同居している気血両虚に効く漢方薬です。

手術後や、病気は慢性化した場合には気虚+血虚となるため、そのような場合、十全大補湯が有効です。

大防風湯

<生薬> 当帰 川芎 芍薬 熟地黄 人参 白朮 甘草 生姜 大棗 黄耆 防風 羗活 牛膝 杜仲 附子

 <証>  虚証~中間証 裏証 寒証 気虚 血虚 水毒

 

大防風湯は、十全大補湯から桂枝と茯苓を除いたものに、いくつかの生薬を追加した漢方薬であるため、基本的には気血両虚に効きます。

 

十全大補湯をさらに痛みに有効にした漢方薬が大防風湯であるため、慢性化した痛みに効くことが多いです。


代表的な漢方薬については、直漢法のホームページをご覧ください

代表的な漢方薬については、エメラルド整形外科疼痛クリニックのもう1つの公式ホームページである直漢法®~自分で観て治す方法~で詳しくご紹介しております。

 ご興味がある方は、ぜひご一読ください。

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