麻黄湯と麻黄附子細辛湯の生薬:新型コロナウイルス対策

生薬について

漢方薬はいくつかの生薬が組み合わされて構成されています。

生薬は、植物、動物、鉱物由来ですが、それぞれ「個性・特徴」があります。

生薬のそれぞれの「個性・特徴」が合わさって漢方薬の「個性・特徴」ができることになります。

上品・中品・下品

神農本草経という中国最古の薬草についての本は、生薬を

  • 上品(じょうほん)
  • 中品(ちゅうほん)
  • 下品(げほん)

の3つに分類しています。

 

上品 はいわゆる良い生薬のことであり、無毒で長期に服用することが可能です。

中品は比較的良い生薬のことであり、適切に用いられれば有効ですが、誤ると毒になります

下品は薬として使うことができますが、毒性が強いため長期服用には不向きです。


麻黄湯の生薬

  • 麻黄
  • 杏仁
  • 甘草
  • 桂枝

麻黄附子細辛湯の生薬

  • 麻黄
  • 附子
  • 細辛

生薬の詳細

生薬の詳細について説明します。

  • <対応する証> 
  • <東洋医学的効能>
  • <西洋医学的薬理作用>
  • <代表的な漢方薬>

について紹介し、そのあと、特徴を説明します。

中医学を基盤にしているため、難解な漢字が多くなり、理解することは容易ではないかもしれませんが、漢字のニュアンスを大切にしてそのまま記載しております。

麻黄

麻黄:まおう

<対応する証> 表証、寒証、水毒

<東洋医学的効能> 発汗散寒、宣肺平喘、行水消腫、活血通絡

<西洋医学的薬理作用> 解熱作用、発汗作用、中枢神経興奮作用、交感神経興奮様作用、血圧降下作用、鎮咳作用、気管支平滑筋弛緩作用(気管支拡張作用)、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、利尿作用

<代表的な漢方薬> 麻黄湯、麻黄附子細辛湯、葛根湯、麻杏薏甘湯

 

麻黄は、温めて寒さを治す作用の強い生薬で、寒証に有効です。

発汗散寒といって、汗を出すことで、寒さを改善し、解熱します。

宣肺平喘といって、咳を止める作用があります。

行水消腫といって、むくみを改善し、水毒に有効です。

甘草

甘草:かんぞう

<対応する証> 虚証

<神農本草経> 上品

<東洋医学的効能> 補脾益気、解毒清熱、緩急止痛、潤肺(祛痰止咳)、調和薬性

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、解熱作用、鎮静作用、鎮痙作用、鎮咳作用、抗アレルギー作用、抗消化性潰瘍作用、胆汁排泄促進作用、ステロイドホルモン様作用、エストロゲン様作用、テストステロン産生抑制作用、フィブリン溶解活性亢進作用、肝障害予防作用、インターフェロン誘導作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用

<代表的な漢方薬> 芍薬甘草湯など

 

甘草は漢方薬に最も含まれる生薬です。

一般用漢方薬210種類中、150の漢方薬に配合されています。

甘草を摂りすぎると偽性アルドステロン症となり、低カリウム血症、高血圧、浮腫などになるので注意が必要です。

特に芍薬甘草湯は甘草の量が多いので、注意してください。

 

甘草は、補脾益気といって中焦である脾の気虚を改善します。

生の甘草は清熱解毒作用があり、特にジフテリア、破傷風、フグ、蛇毒に解毒作用があります。

緩急止痛とは、急(痙攣・収縮・緊張の意味)を緩めるという意味であり、筋肉の痙攣(こむらがえりなど)や胃腸の平滑筋の痙攣を緩和します。

潤肺とは、文字通り肺を潤すことで、肺熱による咳嗽を改善します。

調和薬性とは、配合された他の生薬の作用を緩和することであり、寒性薬、熱性薬、瀉下薬などの作用を急激に起こすことなく、緩やかに効果が出るようにします。

 

この作用から、甘草は多くの漢方薬に配合されています。

桂枝

桂枝(桂皮):けいし(けいひ)

<対応する証> 表証、寒証

<東洋医学的効能> 散寒解表、温経、祛風寒、活血通絡

<西洋医学的薬理作用> 解熱作用、鎮静作用、鎮痙作用、鎮痛作用、血圧降下作用、末梢血管拡張作用、心臓収縮力増強作用、健胃作用、胆汁分泌促進作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、利尿作用、抗血管内凝固作用

<代表的な漢方薬> 桂枝湯、桂枝茯苓丸、桂枝加朮附湯、五苓散

<効果的な部位・症状> 上肢

 

桂枝は、もっとも基本的な漢方薬である桂枝湯の中心的な生薬です。

基本的には桂枝は温めて寒さを治す生薬で、寒証に有効です。

散寒解表とは、状況によって汗を出しながら(汗を出さないこともあります)、寒を改善し、解熱をするという意味です。

温経、祛風寒は経絡などを温めることにより寒さを解消する、という意味です。

さらに鎮静作用などもありますので、ストレスの症状にも有効です。

 

桂枝は肩、腕、手指に効きやすく、のちに登場する羗活は頭、項、脊椎に効きやすいです。

附子

附子:ぶし

<対応する証> 寒証、腎陽虚

<神農本草経> 下品

<東洋医学的効能> 逐寒燥湿・散寒止痛、温助腎陽・回陽救逆、

<西洋医学的薬理作用> 抗炎症作用、鎮痛効果、強心作用、血管拡張作用、抗ストレス潰瘍作用、血圧上昇作用、抗ショック作用

<代表的な漢方薬> 八味地黄丸、牛車腎気丸、桂枝加朮附湯、真武湯、麻黄附子細辛湯

<効果的な部位・症状> 冷えによる痛み

 

附子は、トリカブトを材料に作られます。

トリカブトは猛毒ですが、様々な処置をすることによってかなり安全になります。

とはいっても元は猛毒ですので、選択にはかなりの注意が必要です。

キチンとコントロールして用いることができれば、かなり有効な鎮痛効果があります。

また、効果の発現が早いのも特徴です。

なお、附子は最古の漢方書である『傷寒論』から記載があります。

 

附子は、逐寒燥湿・散寒止痛といって、風・寒・湿が体内に侵入し、寒さにより気・血の流れが悪くなり「不通則痛」の原則により痛みが生じた場合に有効です。

また曇りや雨の日の痛みが悪くなる場合にも有効です。

 

温助腎陽・回陽救逆は、腎陽虚を改善するという意味です。

腎陽虚の症状は、腰や膝の冷痛、足が冷えて膝に力が入らない、元気がなく冷えるのを嫌がる、インポテンツ、不妊、夜間頻尿などの症状です。

細辛

細辛:さいしん

<対応する証> 表証、寒証、水毒

 <東洋医学的効能> 発散風寒、祛風止痛、竄透開滞、温肺化飲

 <西洋医学的薬理作用> 解熱作用、鎮痛作用、麻酔作用、鎮静作用、鎮咳作用、去痰作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、強心作用、血圧降下作用、新陳代謝促進作用

 <代表的な漢方薬> 麻黄附子細辛湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

細辛は、発散風寒、祛風止痛の作用があり、風寒による関節痛、発熱、頭痛に効果があります。

 竄透開滞、温肺化飲は、肺の鬱滞、水毒を改善するという意味で、鎮咳作用となります。


漢方薬のホームページをご参照ください

エメラルド整形外科疼痛クリニックのもう1つの公式ホームページである直漢法®~自分で観て治す方法~では、生薬のほか、証、漢方薬の特徴についても詳しくご説明しているので、ご興味がある方は、ぜひご一読ください。

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