漢方薬は、日本漢方そして中医学で使用される薬剤のことです。
生薬といって、多種多様の植物・動物・鉱物・化石を使用します。
このように多種多様な材料を用いるため、多種多様な病態に対応できるともいえます。
東洋医学では、心身の状態を証で表現します。
証とは、「その人の現在の状態」のことで、西洋医学でいう病名のようなものです。
この証がわからなければ、その先にある漢方薬の選択ができませんので、証を判定することは非常に大切です。
具体的には、「寒い状態」であれば「寒証」、「熱い状態」であれば、「熱証」となります。
このほかにも、「元気が出ない状態」は「氣虚」、「イライラする状態」は「氣逆」、「うつの状態」は「氣鬱」となります。
なお、痛み(慢性疼痛・痛い)には、「氣虚」・「氣逆」・「氣鬱」も関係していることが多く、これらに有効な漢方薬が奏効することが頻回にあります。
漢方薬はそれぞれ、どの証に対応できるかが決まっているため、個人個人の証を見極めた上で、その証にあう漢方薬を使うことで治療を行います。
実証とは、患者が元気である状態をいいます。
例えば、生来、丈夫で体格も良い状態などです。
また、これとは別に、病気の程度が強い状態のこともいいます。
例えば、高熱が出ている状態などです。
虚証は反対に患者が元気ない状態をいいます。
例えば、生来、あまり丈夫でなく、痩せている状態などです。
病気の程度が弱い状態のこともいいます。
ここで1つ、重要な注意点があります。
実証に使われる漢方薬はどれも強力ですので、実証にしか使ってはいけません。
間違って虚証の人に実証の薬を使ってしまうと、胃痛などの副作用が出やすくなるだけでなく、体調が悪化することが多いので、危険です。
これが漢方薬を使う際に最も大切なことです。
反対に実証の人に虚証用の薬を使うことは可能ですが、そもそも虚証用の薬は効果が弱いため、あまり効きません。
寒証は患者さんが寒いと言っている状態をいいます。
また、症状が寒いと増悪する状態もそうです。
ただ、手足が冷えていても、患者さんが寒くないと言えば、寒症ではありません。
熱証は、反対に患者さんが熱いと言っている状態をいいます。
また、症状が熱いと増悪する状態もそうです。
表証は、体表部に症状がある状態をいいます。
あるいは、急性期、病気の初期もそうです。
整形外科領域である四肢は基本的には表証になります。
裏証は、反対に身体の深部に症状がある状態をいいます。
あるいは、慢性期もそうです。
内臓は基本的には裏証になります。
東洋医学には重要な概念として、氣・血・水があります。
氣は一言でいうと、「生命活動を営む根源的エネルギー、いわゆる “元気 ”の氣”」のことです。
氣虚は、全身の倦怠感、意欲低下、精神的・肉体的疲れなど、生命エネルギーが減少した状態をいいます。
氣鬱は、抑うつ傾向など、気がうっ滞・停滞した状態のことです。
典型的にはのどや気管のあたりが詰まったような感じ、です。
西洋医学のうつにも近い状態です。
氣逆は、氣気が通常の循環ではなく、逆流した状態のことです。
冷えのぼせと言って、上半身に熱感、下半身に冷感がある状態などが特徴です。
氣虚は病気などが慢性化した場合になることが多く、ある程度長引いている病ではかなり存在します。
院長の経験上、氣虚に対する漢方薬である補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は全ての漢方薬の中で最も処方することが多く、そして最も効く漢方薬です。
氣逆は女性によく見られる証です。
特に更年期の女性には多く、更年期の女性であれば氣逆と考え、加味逍遥散(かみしょうようさん)が効く可能性が高いです。
重要な概念、氣・血・水のうち、血についてです。
「けつ」と読みます。
血は「生命を物質的に支える赤色の液体」のことで、西洋医学の“血” とほぼ同じ意味です。
血虚は、血が不足した病態のことです。
不眠、動悸、血色不良、やせ、めまい、目のかすみ、肌荒れ、抜け毛、手足のしびれなどが症状です。
瘀血(おけつ)は、漢方独自の概念で、「血の流れが滞った状態」を意味します。滞る場所は、四肢末端のこともありますし、内臓のこともあります。
東洋医学では、瘀血は痛みを生じると考えます。
特に、刺すような痛みを発生させます。
打撲などの結果の内出血、血管がつまる梗塞や血栓が瘀血となります。
このほか、生理痛は東洋医学では、骨盤内で血が滞ったと考えるため、瘀血となります。
また、便秘も同じく骨盤内での血の滞りですので、瘀血であることが多いです。
そのため、瘀血を改善させる漢方薬である「駆瘀血剤」と呼ばれる漢方薬群が生理痛や便秘に良く効きます。
重要な概念、氣・血・水のうち、水についてです。
「すい」と読みます。
水は、「生命を物質的に支える無色の液体」のことです。
分かりやすく言うと、組織液、リンパ液など“血 ”以外の水分すべてのことです。
水毒(あるいは水滞)は、「水の停滞・偏在があり、多くなってしまっている状態」のことです。
水様性の鼻汁、喀痰、下痢、浮腫、胸水・腹水、尿量異常(減少、過多)、耳鳴り、嘔吐などが症状です。
舌診で舌の脇を見て、歯圧痕(歯型が舌に残っている)があれば、有力な水毒のサインです。
寒証と熱証の典型的な症状です。
1 寒証
2 熱証
氣虚・氣逆・氣鬱の典型的な症状です。
1 気虚
2 気鬱
3 気逆
証については、エメラルド整形外科疼痛クリニックのもう1つの公式ホームページである直漢法®~自分で観て治す方法~で詳しくご紹介しております。
ご興味がある方は、ぜひご一読ください。
エメラルド整形外科疼痛クリニックの紹介をする動画集の作成を開始しました。
クリニックの治療について、簡潔的に解説しておりますので、ご興味がある方はご覧ください。
現在公開中の動画は、
です。
エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、現在、爆発的に感染拡大し、変異種が出現している新型コロナウイルス対策として、5つの対応をしています。
1. 非接触型体温計での体温測定を行っています。感冒症状、発熱のある方は受診をご遠慮ください。
2. 感染拡大予防の観点から、マスク着用をお願いしております。
3. クリニック内では、抗ウイルス作用のある精油によるアロマセラピー(芳香浴)を行っています。
4. 空調対策、4台の加湿器による加湿などの対応を行っています。
5. 新型コロナウイルスによる不安などの対応として、瞑想、瞑想と最新西洋医学を融合した新しい瞑想法である「エメラルド両極瞑想法」をお勧めしています。
診療科目
整形外科・リハビリテーション科
診療時間
月・火・木・金曜日
【午前】9:00~12:30
【午後】14:00~18:00
水・土曜日
【午前】9:00~12:30
(受付開始:午前は8:45、午後は13:45)
受付時間
☆新患・予約外の方
月・火・木・金曜日
【午前】9:00~11:30
【午後】14:00~17:00
水・土曜日
【午前】9:00~11:30
☆再診・予約済の方
月・火・木・金曜日
【午前】9:00~12:00
【午後】14:00~17:30
水・土曜日
【午前】9:00~12:00
休診日
日曜日・祝祭日・お盆(8月15日)・年末年始
所在地
〒001-0040
札幌市北区北40条西4丁目1番1号 ASABU LAND 1階
連絡先
TEL:011-738-0011
FAX: 011-738-0012
開院:2019年4月1日
場所:北海道札幌市北区麻生
交通アクセス:地下鉄南北線麻生駅、JR新琴似駅、麻生バスセンターに近接
治療方針:「両極」の治療
特徴:多彩な治療法(漢方薬・認知行動療法・バイオフィードバック)で、慢性疼痛や難治性疼痛を治療