骨粗鬆症

骨粗鬆症の治療をすすめる理由

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、積極的に骨粗鬆症の治療を行っています。
その理由は、
・既に骨粗鬆症により骨折してしまった方は、さらなる骨折を予防するため
・まだ骨粗鬆症による骨折していない方は、今後の骨折を予防するため

です。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されています。
つまり、骨密度が低下し骨質が劣化してしまった結果、骨強度が低下し、骨折しやすくなった状態、ということです。
現在、日本では推定1280万人が骨粗鬆症で、40歳~79歳を対象とした報告では女性は男性の3~4倍骨折しやすくなっています。

骨粗鬆症の原因

 骨は毎日、破骨細胞により壊され(骨吸収)、そして骨芽細胞により作られ(骨形成)ています。
このバランスが崩れ、壊される方が優位になってしまった状態が骨粗鬆症です。
加齢女性であれば閉経が原因となります。

骨粗鬆症の問題点

骨粗鬆症になると骨が脆くなるため、骨折しやすくなります。
大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折)、脊椎の椎体骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折などが起こりやすい骨折です。
特に大腿骨近位部骨折は、骨折後に移動能力が低下しやすく、生活するうえで大きな支障が残りやすい骨折です。

骨粗鬆症以外の問題点

骨粗鬆症の問題点は、骨が脆くなることだけではありません。
骨粗鬆症に加えて筋肉や関節などの運動器も同時に衰えていることが多いことが重要な問題です。
これをロコモティブシンドローム(運動器症候群)といいます。
この状態が進んでしまうと介護が必要となることがあるため予防することが重要です。

骨粗鬆症は予防が大切

骨粗鬆症は予防が大切です。
骨量は若年期に最大になり、その後次第に減少していきます。
ですから骨量を減らしすぎないように、適正な体重を維持し、歩行などの有酸素運動や荷重運動に努め、たばこを避け、飲酒も制限(エタノール量で1日24g)することが大切です。 

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症の診断には、骨密度測定が必要です。
さまざまな骨密度を測定する機器がありますが、腰椎・大腿骨に対するX線による骨密度測定が最も信頼性があることが報告されています。
エメラルド整形外科疼痛クリニックでも、腰椎・大腿骨に対するX線による骨密度測定により骨粗鬆症を診断しています。

成人と比較して、骨密度が、
・70%~80%の状態を、骨減少症
・70%以下の状態を、骨粗鬆症
と診断します。

ただし、軽微な外傷で脊椎圧迫骨折・大腿骨近位骨折となった場合は、骨密度の値に関係なく骨粗鬆症と診断します。
また、骨減少症で軽微な外傷で橈骨遠位端骨折や上腕骨近位端骨折となった場合も、骨粗鬆症と診断します。

骨粗鬆症の治療 ~運動と食事~

既に骨粗鬆症になってしまった場合には、骨粗鬆症の治療をすることをお勧めします。
その理由は、骨粗鬆症の治療を受けることにより、骨折する危険性を減らすことができるからです。

骨粗鬆症の治療で大切なことは、運動食事、そしてです。

 これらのなかで最も大切なのは運動です。
散歩などの 有酸素運度のほか、負荷をかけた抵抗運動などが有効です。
詳細は、骨粗鬆症の運動法・食事法をご参照ください。

次に重要なことは、食事です。
実は、牛乳などの乳製品は、骨に良くありません!
カルシウムを摂取することは重要なことですが、緑黄色野菜から摂取することが望ましいです。特におすすめする野菜は、キャベツです。

避けた方が望ましい食品は、アルコールや、カフェイン、食塩、リンを多く含む食品のほか、動物性タンパク質です。
詳細は、骨粗鬆症に有効な運動法・食事法をご参照ください。

骨粗鬆症の治療 ~5種類の薬~

骨粗鬆症の治療薬には多くの種類のものがありますが、大きく分けて5種類あります。

1. ビスホスホネート:製品名 ボナロン®、フォサマック®など
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
これまでは主力の薬剤でしたが、最近は、副甲状腺ホルモンや抗RANKLモノクローナル抗体を使用することが増えています。
歯を治療されているときには顎骨壊死が起ることがあり、注意が必要です。

2.活性型ビタミンD3製剤:製品名 エディロール®など
腸からのカルシウム吸収を促進するとともに、骨代謝を改善することにより骨を強くする薬剤です。

3.SERM(サーム):製品名 エビスタ®、ビビアント®など
エストロゲン作動活性により骨粗鬆症を改善します。

4.副甲状腺ホルモン:製品名 フォルテオ®、テリボン®など
骨形成を強力に促進する薬です。

5.抗RANKLモノクローナル抗体:製品名 プラリア® 
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
6か月に1回、投与します。
低カルシウム血症となる可能性があるため、デノタスチュアブル®というカルシウム・ビタミンD3製剤も内服します。 

クリニックがお勧めする骨粗鬆症の治療法

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、学術報告の結果から、
1. 副甲状腺ホルモンを2年間使用後、抗RANKLモノクローナル抗体を継続使用
2. 抗RANKLモノクローナル抗体を継続使用
3. ビスホスホネートを継続使用
を、1>2>3の順で勧めています。

また、検査の結果、ビタミンDが不足・欠乏している場合には、活性型ビタミンD3製剤を併用します。
腎機能が低下している方や、内科疾患がある方は、状況に応じて薬を選択する必要があります。

骨の健康チェック

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、骨粗鬆症の検査や治療を行う骨の健康チェックをお勧めしています。