骨粗鬆症の治療薬

骨粗鬆症に使用する治療薬

骨粗鬆症の治療薬には約10種類ありますが、そのうちの6種類についてご紹介します。

1. ビスホスホネート:製品名 ボナロン®、フォサマック®など
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
これまでは主力の薬剤でしたが、最近は、副甲状腺ホルモンや抗RANKLモノクローナル抗体を使用することが増えています。
歯を治療されているときには顎骨壊死が起ることがあり、注意が必要です。

2.活性型ビタミンD3製剤:製品名 エディロール®など
腸からのカルシウム吸収を促進するとともに、骨代謝を改善することにより骨を強くする薬剤です。

3.SERM:製品名 エビスタ®、ビビアント®など
エストロゲン作動活性により骨粗鬆症を改善します。

4.副甲状腺ホルモン(テリパラチド):製品名 フォルテオ®、テリボン®など
骨形成を強力に促進する薬です。
健康保険では、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」にのみ使用可能です。

5.抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ):製品名 プラリア® 
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
6か月に1回、皮下注射で投与します。
低カルシウム血症となる可能性があるため、デノタスチュアブル®というカルシウム・ビタミンD3製剤も内服します。 

6. ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤(ロモソズマブ):製品名 イベニティ®
骨芽細胞作用し、骨気質産生を促進することで、骨形成を促進する作用があります。
さらに、骨吸収を抑制する作用もあります。1か月に1回、皮下注射で投与し、12か月継続します。
健康保険では、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」にのみ使用可能です。
過去1年以内に虚血性心疾患や脳血管障害が発症した患者様には使用できません。

クリニックの治療方針

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、骨粗鬆症の治療ガイドラインや、最新医学情報に則った治療を行っています。
具体的には、
1. 骨密度がかなり低下(YAM値が60%未満)している「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」の場合には、副甲状腺ホルモンであるテリパラチド
2. 骨密度がそれほど低下していない(YAM値が60%以上)場合で、血清カルシウム値が正常範囲の方は、抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブ
3. 骨密度がそれほど低下していない(YAM値が60%以上)場合で、血清カルシウム値が低値の方は、活性型ビタミンD3製剤であるエルデカルシトール
4. 骨粗鬆症治療前の検査で、ビタミンDが不足・欠乏している場合には、活性型ビタミンD3製剤(エルデカルシトール)を併用
5. 上記の治療を行っても骨密度が上昇しない、あるいは、脆弱性骨折が発症した場合には、最新の治療薬であるヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブを考慮する
という治療方針です。

詳しくは、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』に詳しく記載しておりますので、ご興味がある方は、ご覧ください。
なお、腎機能が低下している方や、内科疾患がある方は、状況に応じて薬を変更しています。

クリニックの治療薬の使用実績

上記のクリニックの治療方針から、もっとも多くの患者様に望ましい治療薬は、抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブです。
また、デノスマブやテリパラチドによる治療を行ったにもかかわらず、骨密度の改善が思わしくない、あるいは脆弱性骨折を発症してしまった場合には、ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブが望ましいと言えます。
エメラルド整形外科疼痛クリニックの開院以来の、デノスマブとロモソズマブの使用実績をご報告します。

エメラルド整形外科疼痛クリニックでのデノスマブとロモソズマブの使用状況

エメラルド整形外科疼痛クリニック

・札幌市北区麻生に開院している整形外科クリニック
・多彩な独自の治療法で治療を施行
・骨粗鬆症に対して積極に治療を施行
・電話番号:011-738-0011