成人の股関節痛に対する手術的治療

股関節の手術の適応

股関節に対し、西洋薬・漢方薬・リハビリテーションなどの保存的治療をある程度の期間に渡り行ったにもかかわらず、日常生活の支障が強い場合には、手術を考慮します。

股関節の手術法の種類

手術の選択には関節の状態に加えて年齢が重要であり、状況に応じて棚形成術、大腿骨骨切り術、寛骨臼回転骨切り術、キアリ骨盤骨切り術、人工関節置換術などを選択します。

手術のタイミングが最も重要

股関節の手術で最も重要なことは、手術のタイミングです。
ある程度進行した変形性股関節に対しては、寛骨臼回転骨切り術やキアリ骨盤骨切り術などの骨切り術や人工関節置換術が選択されますが、一般的には骨切り術は45歳~50歳くらいまでが適応で、それ以上の年齢の方には人工股関節置換術が望ましいとされています。

しかし、人工関節置換術には、経時的に必ず「ゆるみ」が発生し、治療経過が改善した現在においても、人工関節置換術の10~15年後には、「ゆるみ」のため、人工関節を入れ替える人工関節再置換術をしなければなりません。
そのため、1回の手術で済ますためには、できるだけ人工関節置換術を施行する時期を遅らせることが望ましいといえます。

しかしそのためにかなり痛みが強い状態を我慢していると、今度は股関節周囲や下肢や体幹の筋力が低下してしまいます。そうなると人工関節置換術を施行したとしても、筋力の問題で歩くことができないことになり、これはこれで大きな問題となります。

つまり、人工関節再置換術の懸念からは手術を遅らせた方がよく、筋力低下の懸念からは、早めに手術をする方が良いというジレンマの状態となります。
そのため、股関節の手術はタイミングが非常に重要になってきます。

エメラルド整形外科疼痛クリニックの治療方針

エメラルド整形外科疼痛クリニックは一般の病院・クリニックと比較し格段に多くの種類の保存的治療が可能ですので、できる範囲で保存的治療を行い、それでも痛みが強い場合には、速やかに手術について考えることを治療方針としています。