へバーデン結節のお勧めの治療法

へバーデン結節とは

へバーデン結節は、手指のDIP関節(先端にもっとも近い関節)に発生した変形性関節症のことです。(なお、DIP関節のことを、第1関節という方がおられますが、DIP関節が正しいです。)

変形性関節症とは、年齢やケガなどの影響により、関節の軟骨が傷んでしまい、動かすと痛みが生じる疾患のことであり、頻度の高い部位は、手指、膝などです。

へバーデン結節の症状

へバーデン結節は、手指のDIP関節の変形性関節症なので、この部位に腫脹、発赤、変形、運動時痛が生じます。
また、ミューカスシストを生じることがあります。
ミューカスとは、関節から生じたガングリオンが大きくなった結果、皮膚が徐々に薄くなった状態のことで、さらに進行すると自壊つまり破裂してしまいます。
その場合、細菌が侵入する可能性があり、場合によっては化膿性関節炎となり、治療が非常に難しい状態となりますので、その前に手術をすることが推奨されています。

へバーデン結節の原因①:原因は不明です!

ここは非常に重要な部分です!
へバーデン結節は、不明です!
現在、考えられている要因は、手の使い過ぎ、遺伝的傾向、女性ホルモンなどです。
ちなみに、男性と女性の割合は、男性1・女性3程度と言われており、女性に多い疾患ですが、男性にも約25%が発症していることは非常に重要なことです。

へバーデン結節の原因②:とあるサプリメントの説は極めて疑問!

繰り返しになりますが、一般的な医療ではへバーデン結節の原因は、不明です。
近年、「とあるサプリメント」が「へバーデン結節に良い」という広告・報道がされており、その根拠として、「そのサプリメント」は「女性ホルモンのエストロゲンに構造が似ていること」、また、「日本人は女性でも2人に1人しか作ることができない」ことを挙げているようです。

もし、本当にこの考えが正しいのであれば、「へバーデン結節はほぼ女性が罹患する新患で、男性は稀にしか罹患しない」ということでなければ理論的に合致しないことになります。
しかし、現実的には約25%は男性に発生しており、明らかに矛盾しており、その説の正しさについては極めて疑問を感じます。

さらに、エメラルド整形外科疼痛クリニックにも「そのサプリメント」を使用していた方が実際に何人も来院されていますが、印象としてはほぼ効いていません。

なお、治療の項目で詳しくご説明しますが、へバーデン結節には、「一般には知られていないおすすめの治療法」があり、エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、とあるサプリメントが効かなかった方に処方しておりますが、多くの方が改善しています。

へバーデン結節の一般的な治療法:①基本は安静

へバーデン結節は、変形性関節症ですので、基本的にはほかの変形性関節症と同様の治療方針となります。
まず、最も大切な治療法は、安静です。
痛みがある関節をなるべく動かさず安静にすることは、治療の第一歩であり、非常に大切です。

安静としては、あまり使わないことを指導しますが、もちろん、これには限界があります。
テーピングも安静の手段の1つですが、それほど有効ではないようです。

蛇足ですが、腰痛の方などで、「仕事などがあるから安静にはできないけれど痛みをとってくれ」という方がおられますが、それは無茶な話です。身体が損傷していうため、これ以上悪くならないように身体が「危険信号」として「痛み」という形で警告しているのに、警告を無視して無理を続けていると、身体がさらに壊れ、より重篤な状態に陥る可能性があります。

へバーデン結節の一般的な治療法:②消炎鎮痛剤

へバーデン結節は、変形性関節症ですので、消炎鎮痛剤はある程度有効です。
消炎鎮痛剤には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使われることが多く、基本は外用(塗り薬や湿布)ですが、痛みが強い時には、内服とします。

しかし、これもそれほど有効ではありません。

へバーデン結節の一般的な治療法:③手術

へバーデン結節で、保存的治療を施行したにもかかわらず、痛みが強く、日常生活に支障が生じている場合には、手術を考慮します。
手術には通常は、固定術を行います。
固定術とは、DIP関節を動かなくする手術であり、末節骨と中節骨を骨性に繋げることで、動かなくします。
この手術はかなり痛みを減少させることができるため、症状が強い方にはお勧めの手術です。
(これは全ての手術について当てはまりますが、完全に痛みがゼロになるとは限りません)

なお、手術の際には、「手の外科」の医師に依頼することをお勧めします。

へバーデン結節の一般的には知られていないおすすめの治療法

これまでお伝えした治療法は、「一般的」な治療法です。
しかし、へバーデン結節には、「一般的ではなく、ほとんど知られていませんが、かなり良く効くおすすめの治療法」があります。

それが漢方薬です。
院長が学会でエメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2としてへバーデン結節に対する漢方薬の有効性を詳細に報告しており、96.3%(27例中26例)という極めて高い確率で症状が改善しています

そのなかでも、桂枝加朮附湯が最も有効でした。
具体的には、桂枝加朮附湯はへバーデン結節に対し、68.0%(25例中17例)で有効でした。
次に有効な漢方薬は、治打撲一方で、55.6%(9例中5例)で有効でした。
その次は、大防風湯麻杏薏甘湯で、それぞれ50.0%(22例中11例)、50.0%(8例中4例)で有効でした。

そのためエメラルド整形外科疼痛クリニックでは、へバーデン結節に対しては漢方薬による治療をおすすめしています

整形外科専門医による「へバーデン結節」におすすめの3つの漢方薬による治療


下記のサイトでは、へバーデン結節におすすめの3つの漢方薬(桂枝加朮附湯、麻杏薏甘湯、大防風湯)についてさらに詳しく解説しています。

整形外科専門医による「へバーデン結節」におすすめの3つの漢方薬による治療

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書籍『骨粗鬆症真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』が、『ホームドクター』や『HO(ほ)』で有名なぶらんとマガジン社から2023年11月11日に発行されます。
内容としては、
・骨粗鬆症を治療する理由
・骨粗鬆症の最新治療の内容
・骨粗鬆症の本当の原因:牛乳や動物性タンパク質の取りすぎ、日光浴不足
・カルシウム神話の誤り:カルシウムを多く摂取しても骨折する
・骨粗鬆症のに対する適切な食事
・骨粗鬆症に対する適切な運動
・健康になるための心拍数などを基準にした運動基準
などについて記載していますので、骨粗鬆症の方にも、骨粗鬆症でない方にも大いに参考になる書籍と自負しています。