心拍変動バイオフィードバック

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、心拍変動バイオフィードバックによる痛みの治療を健康保険で行っています。

心拍変動とは

心拍数は、安静時でも実は同じではなく、微細に変動しています。
これが心拍変動であり、バイオフィードバック機器などで測定することができます。

心拍変動は、自律神経 (交感神経、副交感神経) 機能を反映します。
また、迷走神経(第Ⅹ脳神経:副交感神経成分)や、圧受容器反射 (大動脈・頸動脈) も関与します。

大きな変動要素は呼吸です。
呼吸性洞性不整脈といって、
・吸気時には、交感神経が興奮し、 心拍数が増加
・呼気時には、 副交感神経が興奮し、 心拍数が低下
します。

このように、心拍数は固定しておらず 常に変動していますが、心拍変動の振幅と複雑さが大きいほど よりよい健康状態と考えられています。

バイオフィードバック機器で測定した心拍変動のグラフ

心拍変動の解析

心拍変動の解析は、HRVパワースペクトル解析で行います。
HRVパワースペクトル解析には、HF、LF、VLF、LF/HF比、TP、ccvTPなどの指標があります。
各指標の詳細については、【心拍変動の解析法】をご覧ください。

共鳴呼吸回数

共鳴呼吸回数(共鳴周波数)は、その人にあった呼吸の回数のことです。
この呼吸数で呼吸をした場合に、心拍変動が最も大きくなり、自律神経のバランスの改善効果が得られやすくなります。

共鳴呼吸回数(共鳴周波数)は、HRVパワースペクトル解析の結果から決定します。
一般的には、共鳴呼吸回数(共鳴周波数)は、4.5~ 7回/分(平均 6回/分)です。

自律神経の乱れを改善するエメラルド心拍変動バイオフィードバックリハビリテーション

共鳴呼吸回数が決定されたあとは、自宅での心拍変動バイオフィードバックトレーニングとなります。具体的には、
・毎日10分間
・iPhoneやアンドロイドの無料のアプリ
を使用してのトレーニングとなります。

2~4週後の再診時に再び心拍変動の解析を行い、新たな共鳴呼吸回数を検出し、同様に自宅でのトレーニングを続けていきます。
これにより自律神経の乱れが改善していく可能性があります。
これがエメラルド心拍変動バイオフィードバックリハビリテーションです。

ストレスなどにより乱れた自律神経による痛みにも有効

心拍変動バイオフィードバックは、個々人にとって最も快適な共鳴呼吸回数で呼吸を行うことにより、ストレスなどにより乱れてしまった自律神経のバランスを改善することが可能です。
また、痛みは、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になることにより増悪するため、心拍変動バイオフィードバックにより自律神経のバランスを改善することにより、痛みが改善することが報告されています。
学術報告については、【心拍変動の学術報告】をご覧ください。

心拍変動バイオフィードバック画面

保険適応

心拍変動バイオフィードバックは、健康保険で行うことができます。