【骨粗鬆症】第8話:骨密度測定は、腰椎と大腿骨近位部が推奨

前回は、骨の強さは、骨密度が70%、骨質が30%、影響するが、現在の医療技術では骨密度しか測定できないことをお伝えしました。

実はまだ問題があります。

骨粗鬆症のガイドラインでは、・腰椎・大腿骨近位部の骨密度を測定することが推奨されています。
しかし、実際には、骨粗鬆症に対して治療を行っている医療機関の全てが、この推奨どおりに検査を行っているわけではありません。

具体的には、腰椎や大腿骨近位部ではなく、「橈骨」で骨密度を測定している医療機関があります。
その場合、残念ながら検査結果をそのまま信じることはできません。

その理由は、橈骨は「荷重部位ではない」からです。
Wolff(ウォルフ)の法則というものがあり、骨は荷重することにより強くなることが証明されています。
ですから、「荷重部位でない」橈骨は、そもそも測定部位としては適していません。
もちろん、「腰椎」や「大腿骨近位部」は「荷重部位」ですので、測定部位としては適しており、そのために骨粗鬆症ガイドラインで推奨されています。

ちなみに、骨粗鬆症ガイドラインでは、
「腰椎、大腿骨近位部の測定が困難な場合、橈骨、第二中手骨の骨密度で評価する」
と厳密に記載されています。

また、踵骨で超音波検査をしている医療機関もあります。
これに関しては、
「そもそも超音波検査は骨密度を測定できない」
ので、そもそも評価方法として不適切です。

骨粗鬆症の検査ではなく、スクリーニング(骨粗鬆症の検診のようなもの)として行っている医療機関もあり、当クリニックや小生が以前勤務していた北海道大学病院整形外科に患者さんがそのような医療機関から紹介受診されることがありました。
しかし、実際は、踵骨の超音波では「異常値」だったとしても腰椎や大腿骨近位部の骨密度は「正常範囲」の方は相当数おられました。

「スクリーニングだから、いいじゃないか…」という医師もおりますが、小生はそうは考えません。
その理由は、初めから腰椎や大腿骨近位部の骨密度が測定できる医療機関を受診すれば、患者さんは2つの医療機関ではなく、1つの医療機関だけを受診すればよいので、患者さんの負担が減り、医療費も減るからです。

このほかにも、まだ、骨密度測定には問題があります。
次回、ご説明します。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区麻生に開院し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
・治療方針の解説:全国初の試みである『モデル症例報告』を通じて、わかりやすく詳細に解説
・特徴:多彩な独自の治療法漢方薬バイオフィードバックなど)
・リハビリテーション:理学療法士は担当制で、2単位40分で実施
骨粗鬆症『骨粗鬆症打開プロジェクト』を展開するなど、積極的に治療
・院長の書籍:『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』

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